東麻布に住んでいると主張する男

私の友人に、「東麻布」に住んでいると主張する男がいる。

しかし、彼の住所は残念ながら東麻布ではなく三田一丁目であり、れっきとした赤羽橋という駅が目のまえにはある。

恐らく港区民でも東麻布というと具体的な住所の区画が分かる人はあまりいないのではないだろうか。麻布十番の新一の橋から東京タワー側が東麻布だ。東麻布は住宅街で、バーもほとんどなく飲食店も地元民が多い店が多く閑静な住宅街で落ち着く場所だ。

欲望が渦巻く麻布十番とは全く違うので気にいっている。

そのため東麻布に住んでいることを名乗っていいのは東麻布という住所を所有しているやつだけである。

松濤の当たりに住んでいるといっているのに実際には道玄坂の古いマンションに住んでいたら興ざめではなかろうか。

繰り返す。東麻布と名乗っていいのは東麻布に住んでいる人だけだ。住所が港区三田になった瞬間、赤羽橋と名乗ろう。それか港区三田でいい。

ちなみに港区三田自体も家賃が高く、一般民ではなかなか住めないだろう。だが、東麻布と三田には大きな道路以上に見えない心の壁があることを覚えておいてほしい。

逆に、東麻布に住んでいる人は、なぜだか麻布十番に住んでいるという。

彼らに、なぜより正確な住所を言わないかを聞くとわからない人がいるからだ。という。

しかし、東京都内に住んでいる人としか大体あわないときに、赤羽橋を知らない人がいるだろうか。

いないだろう。君の家は赤羽橋だと小一時間いいたいどころである。

もうわかるだろうが、分かりやすい場所を伝えるという相手目線にたった発言ではなく、自分が住んでいる場所をよりよく伝えるために東麻布といっているのだ。

麻布という存在については謎につつまれているので元麻布、南麻布、麻布十番、東麻布をはじめさらに解説をしたい。