「三田」はどこにあるのだろうか?

ある日、白金でごはんを食べていた。白金で優雅に肉を食べていた。そこに肉食には見えないおばあちゃんが入店してきた。肉を食べるのか?本当に、そう問いたかったが、目を合わせることなく肉に食らいついた。

おばあちゃんは、店員に尋ねた、店員がおばあちゃんに話しかける前に。

「三田に行きたいんですが迷っちゃって」

このとき、港区民は三田と聞くと何を想像するだろうか。三田駅だろうか、それとも"東麻布"こと赤羽橋がある港区三田を想像するだろうか。

三田駅は、港区にありながら港区芝にあるため住所は三田ではない。

さて、三田駅か、港区三田か港区民だと迷うだろう。

 

しかし、もう1つある。ウエスティンホテルや恵比寿ガーデンプレイスが存在するのも三田である。知っていただろうか。目黒区三田というものが存在する。

恵比寿に住んだことがある方ならわかるだろうが、目黒区三田は閑静な住宅街で落ち着いた町である。目黒清掃工場があるものの、たいしてうるさくはない。また、目黒区三田は恵比寿駅から目黒駅までのエリアであり住むには大変おすすめである。

話を戻そう。僕ばあちゃんの話を聞きながら、目黒区三田、港区三田、三田駅(港区芝)のどれだとすぐに頭を巡らせた。

おばあちゃんは目黒駅から来たといっていた。すでに相当歩いているだろう。そして、駅から近くなはずなんだけどねえ...と言っていた。

ここでピンと来た。目黒駅から最も近い三田は目黒区三田である。本ブログの読者は港区民であるので目黒区の話を出したら気分を害するだろうか。

 

申し訳ないが、おばあちゃんが探していたのは港区民が好きな三田ではなく、目黒区の三田であった。私はぴんときた。

 

距離が離れていたが、ラグビー部出身であろうばあちゃんの会話に入っていこうとした。途中、変なおっさんも会話に入って、三田駅を案内しようとしてた。

タクシーでいかないと三田は無理ですよ。間違いなく指している方向は品川だったので、三田駅を紹介することだろう。三田駅しかしらないということはこの人は港区民ではないのではないかと疑ったがそこにつっこんでいる余裕はない。

 

僕はモノホンの三田をおばあちゃんに教えようとかけだそうとしたその瞬間、目のまえにいた、店員とぶつかり、飲み物がかかりそうになってしまった。

だが、僕にとって今大事なのは、自分の洋服をふくことではなく港区に毒されて、三田といえば港区三田か港区芝しか存在しないと考えるその狭量な思考の人間たちを是正したい一心にあふれていた。

 

だが、丁寧な店員は私の服を拭こうとする。私は伝えたい。港区という狭量な人間たち闊歩する街ではなく、優しいファミリーマートの店員がいる目黒区三田の存在を。

 

だが、私のスタートダッシュもむなしく、急いでいたおばあちゃんはすぐに店をでたようだった。向かったのは残念ながら三田駅(港区芝)の方向だろう。

足腰の強くないおばあちゃんをさらに遠回りさせたことに自責の念を感じた。

なぜ世の中の「三田リテラシー」これほどにも低いのか。仮にもここは、目黒区三田のほうが近いんだぞ、そう心の中で主張したかった。

この記事を読んでくれた人に伝えたい。

三田は、

港区三田、港区芝(三田駅)、目黒区三田の3つあることを。トラップにひっかからないでほしい。

港区民は目黒区に立ち入ることはないかもしれないが心の底で覚えておいてほしい。みなさんの心の中の三田はどこにあるだろうか。

もしかしたら兵庫県にも存在する三田があなたの三田かもしれない。

港区だけがすべてではない...そう思ってほしい。